ワンちゃん、猫ちゃんの調子が悪いとき、「動物病院に行連れて行くべきか?」それとも「もう少し 様子を見るべきか?」悩まれたことはありませんか? 以下に問い合わせの多い症状とそれに対する一般的な考え方をまとめてみました。動物病院を受診する際の参考にしていただければと思います。
コメント | ワンちゃん、猫ちゃんが食事を食べなくなることには様々な原因が考えられます。 | |
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考えられる代表的な病気 | ⻭周病、腸閉塞、胃腸炎、腹腔内腫瘍、肝臓や腎臓などの内臓疾患、寄生虫による感染症 | |
対応の考え方 |
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単純な好き嫌いの可能性もありますが、食欲が低下していることも考えられます。栄養がかたよって体調を崩す前に、動物病院に相談することをお勧めします。 |
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24時間以上食べないのであれば、少しずつ健康に影響が出始めます。原因究明と適切な対応が望まれますので、早めの受診をお勧めします。 | |
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疾患の可能性が高い状況です。体力の消耗が激しく、脱水も着実に進行しますので、急ぎの対応が必要です。 |
コメント | 減量中以外のワンちゃん、猫ちゃんが瘦せて来た場合、注意する必要があります。「なぜか分からないけど痩せてきた」という時は、何かしらの病気の可能性が高いと考えてください。 | |
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考えられる代表的な病気 | 口内炎、腎臓病、ホルモン疾患(糖尿病、甲状腺機能亢進症)、消化器疾患、消化管内寄生虫 | |
対応の考え方 |
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食欲がなくなっていることが問題です。放置すれば体力がどんどん落ちていきますので、速やかに受診してください。 |
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消化器疾患、ホルモン疾患(糖尿病など)、腫瘍などの可能性が高いと思われます。いずれの疾患も適切な診断・治療を行わなければ命に関わるものばかりです。一日も早い受診をお願いします。 |
コメント | ワンちゃん、猫ちゃんが嘔吐をする原因には、胃腸炎などの消化器のトラブル以外に、気分が悪くなる疾患(膵炎、腎臓病など)が含まれるため、対応に注意が必要です。 | |
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考えられる代表的な病気 | 異物による腸閉塞、毛球症(猫)、胃腸炎、膵炎、肝臓病、腎臓病、感染症(猫白血病、FIPなど) | |
対応の考え方 |
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生き物ですので一過性に気分が悪くなることもあります。その後に食事を食べて嘔吐も見られなければ、少し様子を見ましょう。 |
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気分の悪さが続いている状態です。適切な対応を行 わなければ、体力を消耗し状態は悪化する可能性が 高いと思います。早めに受診をお願いします。 |
コメント | ワンちゃん・猫ちゃんの下痢は、症状が軽い軟便から水のような下痢まで様々なものが見られます。悪化すると便に血が混じったり、食欲がなくなったりして衰弱していきますので、注意しましょう。 | |
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考えられる代表的な病気 | 胃腸炎、食物アレルギー、肝臓病、急性膵炎、感染症、中毒 | |
対応の考え方 |
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緊張したり興奮したりすると、便がゆるくなることは珍しくありません。速やかに改善するのであれば、経過を見ていただいてOKです。 |
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下痢の状態としては中程度です。一過性の腸炎の可能性もありますが、それ以外にも下痢が続く病気はたくさんあります。原因の特定ができれば適切な対応も可能です。まずは受診をおすすめします。 | |
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重度の下痢です。深刻な疾患が潜んでいる可能性もありますし、脱水も進むことで他の疾患に進行するかもしれません。積極的な検査・治療が必要だと思われますので、なるべく早く受診してください。 |
コメント | 人と同様、排便は一日に1〜2回が理想だといわれています。まずは日々の食事管理などで適切な排便が行われるように努めましょう。 | |
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考えられる代表的な病気 | 異物による腸閉塞、巨大結腸症、その他の脱水を起こす疾患 | |
対応の考え方 |
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食事を摂らなければ便の量は極端に減ります。便が出ないことよりも食欲がないことが問題です。まずは食べないことへの対応が必要です。 |
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一過性の便秘である可能性が高いです。水分不足で便が硬くなっているのかもしれませんし、浣腸などのサポートが必要かもしれません。48時間以上続くなら動物病院に相談してください。 | |
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重度あるいは慢性的な便秘です。便秘は何かしらの病気の症状ですので、原因となる病気を特定する必要があります。重篤化すると大腸の手術が必要となることもあるため、診断と適切な治療が必要です。速やかに受診してください。 |
コメント | 気温・室温が高かったり、運動後は飲水量が増えることがあります。しかし、日常的に飲水量が増えていたり、おしっこの量が増える状態が続く場合は、病気の可能性があります。ちなみに病的といわれる飲水量の目安は1日で体重1kgあたり100mLです。これを超える量を飲んでいるようなら、病的と考えても良いでしょう。 | |
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考えられる代表的な病気 | 腎臓病、糖尿病、副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能亢進症、子宮蓄膿症 | |
対応の考え方 |
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毎日の飲水量を記録しながら、もうしばらく様子を見ましょう |
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尿量が増えている子はすぐに脱水を起こしますので、十分に水を飲めるようにしてあげてください。その上で原因究明のためなるべく早めの受診をお勧めます。 |
コメント | 尿の状態の異常は、おもに泌尿器系の病気が疑われますが、時に生殖器系(前立 腺や子宮)の病気の可能性もあるため、総合的な診断が必要となります。特におしっこが出ないというトラブルは緊急性が高いため、急ぎの対応が必要です。 | |
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考えられる代表的な病気 | 膀胱炎、尿路結石、腎臓病、子宮疾患、前立腺疾患 | |
対応の考え方 |
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膀胱炎などの泌尿器の疾患の可能性が高そうです。放置すると膀胱や腎臓に深刻なダメージが発生する 可能性がありますので、なるべく早く病院を受診してください。 |
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排尿ができないという状態はとても危険です。特に24時間以上排尿がない場合は、生命の危機と言っても良い状態です。一刻も早く病院を受診してください。 |
コメント | 単に太ってしまったということも考えられますが、太る理由もないのにお腹が張っているときは、お腹に水が溜まる、何かしらの臓器が腫れている、内臓から出血しているといったことも考えられます。体調が悪い場合は緊急性の高い疾患が隠れている場合もありますので注意しましょう。 | |
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考えられる代表的な病気 | 腹水、胃拡張・胃捻転、消化管寄生虫、子宮蓄膿症 | |
対応の考え方 |
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緊急性は高くないかもしれませんが、病気の可能性もあるため、レントゲンや超音波などを含めた総合的な検査を受けられると良いと思います。 |
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腸閉塞など、深刻な病気である可能性が高いですので、速やかに動物病院を受診し、適切な検査を受けてください。 |
コメント | 呼吸の異常は体への負担も大きく、すぐに命に関わることもありますので、迅速な対応が必要です。激しい運動の直後だと興奮や体温調節のために激しい呼吸をすることがありますが、それ以外の状況で、口を開けて必死に呼吸をしていたり、肩で息をしている、横になりたがらない、などの場合は病気の可能性があり ます。 | |
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考えられる代表的な病気 | 心臓病、肺炎、気管虚脱、猫喘息、感染症(フィラリア症) | |
対応の考え方 |
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平常時の呼吸に問題がないようであれば、基本的には問題ありません。ただ、極端に息が上がってしまうようであれば、呼吸器に何らかの問題があるかもしれませんので、かかりつけ医に一度相談することをお薦めします。 |
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いわゆる「呼吸困難」の状態です。放置すれば命に関わる可能性が高い状況だと思われますので、緊急対応が必要だと思われます。速やかに動物病院に連絡してください。 |
コメント | 咳やいびきは、正常なものから何かしらの呼吸の異常を示す場合まで様々です。重度であれば治療が必要となります。 | |
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考えられる代表的な病気 | 肺炎、気管支炎、心臓病、短頭種呼吸器症候群、気管虚脱 | |
対応の考え方 |
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1 日に何度も咳き込む場合は病気が疑われます。咳の原因は呼吸器疾患か循環器疾患(心臓病)です。どちらも生命維持に関わる重要な臓器ですので、咳が続くようなら動物病院で検査を受けましょう。 |
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「寝ているときに時々」という範囲であれば良いですが、睡眠に障害が出るようないびきであったり、起きているときにもいびきのような呼吸であったりするときは、やはり何かしらの呼吸器疾患が疑われます。 |
コメント | ワンちゃん、猫ちゃんが皮膚をかゆがる原因には、いわゆる皮膚病以外にも、アレルギーやホルモン疾患、精神疾患などが考えられ、原因に合わせた適切な治療が必要です。 | |
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考えられる代表的な病気 | 皮膚感染症(細菌性皮膚炎、毛包虫、真菌症、カイセン症など)、アレルギー、アトピー性皮膚炎 | |
対応の考え方 |
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皮膚に異常が見られず、痒がり方がそれほどひどくなければ、すこし様子を見ても大丈夫です。 |
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皮膚病からの痒みの可能性が高いです。検査を行い適切に治療を行わなければ、皮膚病が悪化する可能性があります。早めに動物病院に相談してください。 | |
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アレルギーやホルモン異常などの全身的な疾患の可 能性があります。場合によっては緊急性があります。 総合的な検査を行って適切な対応を行いましょう。 |
コメント | ワンちゃん、猫ちゃんが耳を激しくかゆがったり、耳がひどく汚れるのは、主に外耳炎という皮膚病の一つです。原因は様々ですが、特に垂れ耳のワンちゃん、耳が変形している猫ちゃん(スコティッシュやアメリカンカールなど)は耳の通気性が悪く、外耳炎になる可能性が高くなります。 | |
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考えられる代表的な病気 | 細菌性皮膚炎、真菌性皮膚炎、アレルギー、寄生虫(ミミダニ)感染 | |
対応の考え方 |
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おそらく外耳炎の症状です。耳の状況に合わせて、 洗浄やお薬の使用が必要ですので、早めに動物病院 に相談してください。 |
コメント | 目の異常はゆっくりと現れるものから、ある日突然起こるものまで様々です。また深刻なトラブルも多く、「まだ大丈夫かな?」と考えて様子を見ることで事態が悪化し、失明にいたることも珍しくありません。慎重な対応を心がけましょう。 | |
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考えられる代表的な病気 | 角膜損傷、結膜炎、緑内障、ぶどう膜炎、チェリーアイ | |
対応の考え方 |
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角膜損傷や白内障などの、眼科疾患の初期症状の可能性があります。緊急性は高くありませんが、なるべく早めに獣医師の診断を受けた方が安心です。 |
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目の病気の可能性が高いです。眼科疾患には進行の早いものが多く、視力を保つためには緊急対応が必要なこともあります。まずは速やかに動物病院を受診し、検査を受けましょう。 |
コメント | ワンちゃん、猫ちゃんも人と同様、鼻水を流したり、くしゃみをしたりします。少量の鼻水や数回程度のくしゃみならば心配する必要はありませんが、そうでない場合は病気の可能性を疑う必要があります。 | |
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考えられる代表的な病気 | 猫の上部気道感染症、アレルギー、⻭周病、鼻腔内異物、腫瘍 | |
対応の考え方 |
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自然な生理現象の可能性が大きいです。しばらく様子を見ましょう。 |
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重度の⻭周病から鼻へバイ菌が入り込んでいる可能性があります。⻭科処置が必要かもしれませんので、受診をお勧めします。 | |
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鼻の中に何かしらのトラブル(感染症や異物など)が起こっている可能性があります。特に鼻血は深刻な疾患の可能性があるので要注意です。早めの受診をお勧めします。 |
コメント | 動物にも「足を痛めた」といわれる様々なトラブルがあります。またそれ以外にも、虫刺されやしびれ、神経痛などでも足に違和感を生じます。 | |
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考えられる代表的な病気 | 外傷(けが)、関節炎、骨折、脱臼、椎間板ヘルニア | |
対応の考え方 |
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関節炎やねんざ、軽度の脱臼などの可能性があります。何日も続いたりたびたび繰り返すようであれば受診してください。 |
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骨折や脱臼などの整形外科的な疾患や、しびれや麻痺といった神経的な疾患などが考えられます。手術が必要な場合や、集中治療が必要なこともありますので、速やかな受診を心がけてください。 |
コメント | けいれん発作は、手足の一部が震える軽度なものから、全身が大きく震えて意識を失う重度なものまで色々です。脳の病気だけでなく、腎臓病や肝臓病、中毒など、様々な病気がけいれん発作の原因となるため、慎重な対応が必要です。しかしその一方で、すぐに命に関わることは少ないため、まずは落ち着いた対応を心がけましょう。 | |
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考えられる代表的な病気 | 脳疾患(てんかん、脳梗塞、脳腫瘍、ウイルス感染など)、腎不全、中毒、肝不 全、低血糖 | |
対応の考え方 |
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いったん発作が落ち着いているのであれば、少し経過を見ましょう。多くの場合、1時間程度でいつもの元気な状態に戻るはずです。その上で動物病院に相談し、発作の原因を調べてみるのが良いでしょう。 |
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徐々に進行するような病気が原因となっている可能性が高いと思います。放置すれば発作はさらに悪化し、脳に深刻な障害をもたらします。適切な検査・治療を行わなければ、いずれ命に関わる事態へと発展するかもしれません。積極的に動物病院を受診しましょう。 | |
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緊急性が著しく高いため、速やかに動物病院を受診しましょう。時間外であれば対応が可能な病院に連絡を取ってください。時間が経過するほど脳への障害が進行し、生命維持が困難になります。 |
コメント | 皮膚の「しこり」には固いもの・柔らかいもの、痛みのあるもの・無いものなど様々な特徴のものが見られます。その正体は皮膚の異常や細菌感染による炎症、腫瘍などであり、中には悪性腫瘍(いわゆる「がん」)であることも...。見た目やさわり心地での判断は難しいため、積極的に手術をお薦めすることもあります。 | |
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考えられる代表的な病気 | 組織増殖(イボ)、毛穴の異常、感染症、良性腫瘍(脂肪腫、組織球腫など)、悪性腫瘍(肥満細胞腫、扁平上皮がんなど) | |
対応の考え方 |
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どのような形のできものであっても、腫瘍の可能性を考える必要があります。手術が推奨される場合もありますので、飼い主さんの判断で様子を見ず、一度動物病院へご相談ください。 |
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しこりの病変が進行することで、他の臓器に影響を及ぼし、体調悪化が見られることがあります。着実に大きくなるしこりは危険度が高く、積極的な摘出手術が薦められますので、なるべく早く動物病院を受診してください。 |